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June 24, 2020by Mamoru Kakuda

特許庁は、Supernus Pharm., Inc. v. Iancu, 913 F.3d 1351 (Fed. Cir. 2019)に整合するように、特許期間調整(PTA)の規定を変更することを、6/16に正式に発表しました(Federal Register)。この改正規則は2020年7月16日以降にNotice of Allowanceが送付される特許出願で、PTAの対象になるものに適用されます。

37CFR1.704(c)(8)は、追加の応答(supplemental reply)をした場合に、最初の応答の日から追加の応答の日までの期間がPTAから減じられることを規定しています。Supernus判決では、37CFR1.704(c)(8) について、PTAを減じる期間は、出願人が審査を結論に導く合理的な努力をしなかった期間としなくてはならないと判示しました。この判決に基づき、米国特許庁は、2019年5月9日、もし、出願人がSupernus判決に照らして、PTAの減少が多すぎると考える場合は、出願人にrequest for reconsideration of the patent term adjustmentを提出するように求めました。例えば、RCEの提出後に対応外国出願に拒絶通知があり、その引例をIDSした場合は、37CFR1.704(c)(8)の規定をそのまま適用すると、RCEの提出からIDSの日までの期間がPTAから減じられることになります。しかしながら、RCEの提出後、出願人が対応額国出願の拒絶理由を知った日までは、出願人が審査を結論に導く合理的な努力をしなかった期間とはいえません。したがって、その期間をPTAから減じるのはSupernusから見て妥当ではない、ということになります。この場合は、出願人がrequest for reconsideration of the patent term adjustmentを提出することで、正しいPTAを獲得できます。

今回の規則改正の基本的な考え方は、37CFR1.704(c)(8)以外の規定について、PTAを減少させる期間を、米国特許庁に対して遅れの影響が出た期間に対応させるのではなく、出願人が審査を結論に導く合理的な努力をしなかった期間に対応させようというものです。具体的には、特許発行の延期申請による遅れ(37CFR1.704(c)(2))、放棄された出願の回復時の遅れ(37CFR1.704(c)(3))、オフィスアクションや許可通知の直前に予備補正等の書類を提出することによる遅れ(37CFR1.704(c)(6))、審決やCAFC判決の後でオフィスアクションや許可通知の直前に補正書等の書類を提出することによる遅れ(37CFR1.704(c)(9))、許可通知(Notice of Allowance)後に補正書等の書類を提出することによる遅れ(37CFR1.704(c)(10))について、PTA減少の期間が改正されます。

実務上特に影響が大きいのは、オフィスアクションや許可通知の直前に予備補正等の書類を提出することによる遅れと許可通知後の書類提出による遅れだと思われます。

オフィスアクションや許可通知の直前に予備補正等の書類を提出することによる遅れについては、オフィスアクションや許可通知の送付の直前(1か月未満前)に予備補正等の書類を出した場合、改正前は、そのオフィスアクションから追加のオフィスアクションが出るまでの期間がPTAから減じられていましたが、今回の改正以降は、出願日から8か月以降、予備補正等の書類を出すまでの期間が減じられることになります。

許可通知後の書類提出による遅れについては、改正前は、書類提出後から特許庁からその書類に対する応答があるまでの期間がPTAから減じられていましたが、今回の改正以降は、許可通知からその書類提出までの期間が減じられることになります。なお、許可通知後に書類提出してもPTAが減じられない書類として、特許庁から明示的に要求された書類が追加されます。

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by Mamoru Kakuda

Mamo’s extensive background includes a tenure of over 20 years as an IP professional in a renowned Japanese chemical company. During this time, he developed an elite insight into Japanese companies’ operations and IP practices. Consequently, Mamo is esteemed for his astute counsel which guides his diverse clientele on their best course of action, obtaining patents effectively and efficiently.