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July 8, 2020by Mamoru Kakuda

64日、IPR決定に対する控訴審において、CAFCは、米国特許法285条に基づく弁護士費用とコスト支払いをIPRの手続き分について認めない旨の命令を下しました (Amneal Pharmaceuticals LLC v. Almirall, LLC Fed. Cir. 2020)) 

Amneal社は、Almirall社の所有するニキビ治療薬の特許に対するIPRを申請したのち、FDAにその特許のパラグラフIV証明を提出してANDA申請をしました。Almirall社のAmneal社に対する特許侵害訴訟の提起後、両社は和解協議を開始し、Almirall社はIPRの取り下げを条件に特許の不行使をAmneal社に申し入れました。

協議がまとまらないうちに、’926特許は無効ではないとのIPRでの決定が出たため、Amneal社はCAFCに控訴しましたが、その後、控訴の自発的取り下げのmotionを提出しました。Almirall社は、特許の不行使と、FDAにオレンジブックからの特許の削除を申し入れていたにも関わらず、Amneal社が裁判を継続したのはunreasonableであるとして、米国特許法285条に基づき、和解交渉の終了の日からIPRのトライアルの日までの弁護士費用とコストを請求しました。

Almirall社は、特許法285条に基づき、CAFCは、訴訟が開始される以前の特許庁審判部での手続きについても合理的な弁護士費用負担を認める権限を有すると主張しました。その根拠として、Almirall社は、Sullivan v. Hudson, 490 U.S. 877 (1989)とTherasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co., 745 F.3d 513, 516–17 (Fed. Cir. 2014)を挙げていました。

CAFCはこの主張を認めませんでした。285条の適用地裁の手続きに限定されていないとしても、適用されるのは、訴訟中に、訴訟と密接な関係でまたは訴訟の直接の結果として発生した費用に対してであり、本件において訴訟開始CAFCが裁判管轄を主張する)前のIPRの手続きについて費用を要求しているので、訴訟の解決に密接に結びついているとは言えず、285条は適用されない、と判断しました。特に、Hudsonについては訴訟が継続していて行政手続きの結果にその解決が依存するため、またTherasenseについては地裁と高裁の手続きについてだけ言及しているため本件はこれらのケースとは区別されるとしました。また、CAFCは、PPG Indus., Inc. v. Celanese Polymer Specialties Co., 840 F.2d 1565, 1569 (Fed. Cir. 1988) についても、裁判が開始した後の特許庁費用だけを認めているので、本件と区別されるとしました。 

by Mamoru Kakuda

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